“SAIDの原則”について
トレーナーとしてまだ駆け出しの頃、当時師から教わった事で頭から離れないのが「SAIDの原則」です。これはコンディショニング、トレーニング指導をするうえで常に必要不可欠な事として自分の中に焼き付いています。
“SAID=spesific adaptation (to) imposued demand”の略なのですが、これは直訳すると“課された要求に対する特異的な反応”となります。
この原則は、かんたんに言いますと“人間のからだはやった事にしか反応しない”という事です。わかり易い大雑把な例えでいうと、マラソンの練習をしても短距離は早くならない、とかサッカーの練習では野球はうまくならない、とかそうゆう事です。
もっと精密な話で述べますと、例えば腰痛に対してその要因がどこにあるのか正確に捉えないと改善効果が望めない、という事です。腰痛と一口に言っても様々な原因があるワケで、それが腸腰筋なのか、ハムなのか、腹筋か…、股関節の動きなのか腰椎か…、等々その可能性を挙げればきりが無いのですがそれを見極めてかつどのような対処法を以てするのか、という事が非常に大切であります。
巷のジムなどではよく「腰痛予防に背筋を鍛えましょう!」などと聞きますが大括りでは間違っていません。腹筋背筋を鍛えて体幹を強く…云々というのは啓蒙活動としては大切です。
しかしながら、長年の腰痛で困っている方を目の当たりにしたときに、一律で「腹筋を…」では残念ながら当たっては居ません。(もしかしたら当たっちゃっていることもあるかも知れませんが…。)出来る限り正確に、ていねいに状態を見極める事、そしてそれに基づいた改善の対処法の選定、そして実施した対処法がどう反応を示したかをしっかりと経過観察することが大切です。そして、修正や微調整を繰り返し適正な反応(=改善、良化)へと促してゆかないと、真のコンディショニングとは言えません。
そしてこれらは、こうして口で言う程かんたんでもございません。
人生を重ねてゆくと、腰のみならず肩やヒザ、その他、あらゆる箇所に悩みや不具合が訪れます。わが身に置き換えて真の要因を洞察する。そうした姿勢で臨む事が、「SAIDの原則」を実践する第一歩かと考えています。
道はまだまだ遠く深いですが、会員様とともに追求してゆく心積もりでおります。
お身体でお悩みのみなさん、ぜひラディアへ託してみて下さい。(12/14)